ファイアウォールは長年、ネットワークセキュリティに不可欠な存在でした。しかし、ネットワークが進化してクラウドベースの資産を包含するようになると、不正アクセスを防ぐ仕組みも進化する必要が生じました。ファイアウォール・アズ・ア・サービス(FWaaS)を利用すれば、企業のクラウドインフラの一部としてファイアウォール保護を提供できます。
異なる業界の5組織がFWaaSソリューションの利用によってどのような恩恵を得たのか、以下で紹介します。
FWaaSの導入事例5選
1. Hagedorn Group
ドイツのHagedorn Groupは、幅広い業界を対象に、解体、環境修復、リサイクルを専門としています。同社は最新テクノロジーに依存しており、世界各地の組織からHagedornに託された貴重なデータ資産を保護しなければなりません。
Hagedornは、BarracudaのFWaaSを利用して一貫したセキュリティプロトコルを維持しながら、Microsoft Azureへの安全な移行を実現しました。
Hagedornは事業を拡大する中で、急速なペースで新会社を買収し、遠隔地に広がる拠点に対応できるITサポートを必要としていました。
最終的にHagedornの事業部門は、サービスをAzureの下に集約することが現在および将来のニーズに最も適していると判断し、俊敏性とセキュリティを高めました。Hagedornは、Azureとの連携を含む使いやすさと柔軟性を評価し、エンタープライズ向けクラウドネイティブFWaaSプロバイダーとしてBarracudaも選定しました。
「Barracuda CloudGen WANは、当社が必要とするすべてのエンタープライズセキュリティレベルを提供し、途切れない接続とAzure上のアプリケーションへの安定したアクセスを実現するSD-WANまで備えた、唯一のクラウドネイティブFWaaSでした」と、HagedornのITリード、Hans Redlich氏は述べています。
業界: 建設
FWaaSプロバイダー:Barracuda Networks
ユースケース: BarracudaのFWaaSにより、HagedornはAzureへ安全に移行し、全拠点でセキュリティプロトコルを合理化・一元化しました
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2. The Guidance Center
カリフォルニア州ロングビーチのThe Guidance Centerは、公立学校の教師とカウンセラーによって設立された非営利団体です。地域の恵まれない子どもたちにメンタルヘルスサービスをつないでいます。
The Guidance Centerは数千人の子どもと家族を支援していますが、そのネットワークインフラを裏側で運用しているのは、患者データの保護に細心の注意を払う小規模なITチームです。
「データが侵害されれば、クライアントと当センターの評判に大きな影響が及びます」と、The Guidance CenterのITディレクター、Ian Adduru氏は述べました。
「私たちが収集するデータを守るために、できることは何でもしなければなりません。助けを求めて来る人々を守るのは、私たちの責任です」
パンデミックによって従業員が機密データにアクセスする方法に影響が出始めると、The Guidance Centerは、リモートからアクセスされる資産をどの程度保護できているかを真剣に見直しました。Wi-Fi経由で暗号化データを送信することへの懸念が生じたため、同組織は従業員にイーサネット経由での接続を義務付けました。これによりデータはオンサイトのファイアウォールの内側で保護されましたが、恒久的な解決策としては現実的ではありませんでした。
患者データを保護し、ローカルシステム上と転送中の双方で患者データを暗号化するよう求めるカリフォルニア州保健医療サービス局のメンタルヘルスサービス部門の要件に準拠するには、アップグレードが必要であることは明らかでした。
FortinetのFortiSASEFWaaS製品を選定し、これらの目標を達成しました。
「Fortinetはデータを確実に暗号化するため、ユーザーがそれを回避して安全でないWi-Fi接続を確立することはできません」とAdduru氏は述べています。
「FortiClientはユーザーのデバイスからFortiSASEネットワークへのVPN接続を確立します。このネットワークは、データがインターネット上を移動する間、セキュリティを維持・適用します。テストの結果、FortiSASEを使えば、メンタルヘルス局からデータが転送中に暗号化されているか尋ねられた際、自信を持って『はい』と答えられることが分かりました」
業界: 医療
FWaaSプロバイダー:Fortinet
ユースケース: FortinetのFortiSASE FWaaSにより、The Guidance Centerはパンデミック中に従業員がリモート勤務へ移行した際も、患者の医療データを安全に保護しました
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3. AutoNation
フロリダ州フォートローダーデールを拠点とするAutoNationは、国内最大級の自動車販売業者です。1996年の設立以来、360の新車・中古車販売店を通じて1,000万人を超える顧客にサービスを提供してきました。同社の従業員数は2万6,000人を超えます。
急速に拡大する組織として、AutoNationはネットワークセキュリティをアップグレードする必要がありました。対象は広く分散した複数の拠点に及びましたが、ネットワークセキュリティの制御と監視は一元化する必要がありました。
ZscalerのクラウドベースFWaaSはソリューションの重要な構成要素でした。特に、感染によるボットネットトラフィックの問題に同社が直面していたことが大きな理由です。
「感染したワークステーションをすべて特定できたため、迅速に問題を解消できました」と、AutoNationのセキュリティ運用ディレクター、Jeff Johnson氏は述べています。
「また、見覚えのないクライアントとの間で、ネットワークに出入りするP2Pトラフィックが大量に発生していることも分かりました。Zscalerのフルパケットインスペクション・ファイアウォールを使ってそのP2Pトラフィックを停止し、BitTorrentなどのP2Pファイル共有サービスを止めることができました」
最終的にJohnson氏によると、同社はネットワーク上のP2Pファイル共有に使用される帯域幅を月間約500GB削減できました。
「次世代ファイアウォールの機能は、実際に中核的な要件です」とJohnson氏は述べています。
「Zscalerを選定する際の主要な検討事項の1つでした。完全なプロトコル対応の次世代機能を備えた他のクラウドサービスでは、この[機能]を見つけられませんでした」
業界: 自動車
FWaaSプロバイダー:Zscaler
ユースケース: ZscalerのFWaaSにより、AutoNationはネットワークセキュリティを強化し、ボットネットに起因するP2Pファイル共有の帯域幅を削減しました
関連記事:Zscaler対CrowdStrike:主要FWaaSプロバイダー比較
4. The Wine Society
英国のThe Wine Societyは、厳選したワインを毎月配送する定期購入サービスで、14万5,000人の会員に利用されています。
同社が成長するにつれ、事業運営に不可欠なクラウドベースのネットワークを含め、ネットワークセキュリティのニーズにIT投資が追いつかないことが課題になりました。プラットフォームとシステムは維持が難しく分散していたため、複数の拠点やリモート接続する従業員に対するセキュリティプロトコルの適用に一貫性がありませんでした。
The Wine SocietyはProdecと協力し、FWaaSソリューションを含むネットワークセキュリティ全体を改善しました。これにより、同社のセキュリティ境界をエンドツーエンドで強化し、分散した従業員ネットワーク全体を保護しました。
「Prodecが推奨したITソリューションを喜んで導入しましたが、後悔はまったくありません」と、The Wine SocietyのIT責任者、Rhod Williams氏は述べています。
「これらのテクノロジーによって業務が大幅に容易になり、The Wine Societyは自信を持って未来に臨めるようになりました」
業界: 食品・飲料
FWaaSプロバイダー:Prodec Networks
ユースケース: ProdecのFWaaSにより、The Wine Societyはネットワークセキュリティのアプローチを、リモート接続する従業員の接続性を維持できる最新の一元化ソリューションへとアップグレードしました
関連記事:ファイアウォール・アズ・ア・サービス(FWaaS)はなぜ重要なのか?
5. Signpost
ニューヨークを拠点とするSignpostは、請負業者、電気工事業者、配管工、その他の住宅サービス事業者が利用する、クラウドベースの顧客関係管理(CRM)およびマーケティングオートメーションソリューションです。同社は3拠点に130人の従業員を擁しています。
Signpostのソフトウェアには、テキストメッセージ、ライブチャット、メール、ソーシャルメディアの自動化を一元管理する機能などが含まれています。
Signpostの従業員は数年間、VPNテクノロジーを使ってネットワークに接続していました。しかし、ニューヨークからデンバーへの本社移転を控え、同社はVPNシステムと併用するクラウドベースのソリューションを探し始めました。
その後、パンデミックが発生しました。同社は、必ずしも信頼性が高く、リモートワーカーにメリットをもたらすよう設計されているわけではないVPNサービスを使い続けるより、幅広いクラウドベースのソリューションを探す方が合理的だと判断しました。
本社を実際に移転する代わりに、同社はクラウドベースのネットワークを積極的に活用し、FWaaSを含むクラウドベースのソリューションのためにPerimeter 81と契約しました。
「当社のCEOはデンバーに住んでいるので、本社もそこに置くのが自然だと思われました」と、SignpostのITディレクター、Alex Shtilkind氏は述べています。
「しかし、新たなCOVIDの波によって新オフィスが空室になると分かると、もはや合理的ではありませんでした。Perimeter 81によってすでにハイブリッド勤務へ移行できる柔軟性を得ていたため、さらに一歩進めて100%リモートへ移行しました。その結果、移転費用と年間数百万ドルの賃料の両方を節約できました。従来のVPNでは不可能だった、素晴らしい経営判断でした」
業界:マーケティング
FWaaSプロバイダー:Perimeter 81
ユースケース: Signpostは、強力で一元化されたネットワークセキュリティ制御を備えたクラウドベースのネットワークソリューションを必要としていました。Perimeter 81のFWaaSは、そのソリューションの重要な一部となりました
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結論
これらの導入事例は、建設、医療、自動車、食品・飲料、マーケティングというさまざまな業界で、ファイアウォール・アズ・ア・サービスが活用されている例を示しています。
各社は導入にあたり、FWaaS市場のさまざまなプロバイダー、すなわちBarracuda Networks、Fortinet、Zscaler、Prodec Networks、Perimeter 81を選定しました。
これらの組織は、ネットワークを改善するため、FWaaSソリューションを主に次のような方法で活用しました。
- クラウド移行を安全に実施
- 個人を特定できる情報(PII)を保護
- ボットネットに起因するファイル共有の帯域幅を削減
- ネットワークセキュリティを一元化
- クラウドベースの制御を確立