2022年のクラウドオブジェクトストレージ市場

クラウドオブジェクトストレージとは、非構造化データをクラウドに保存する方法だ。オブジェクトベースのストレージは、柔軟性と拡張性に優れているため、クラウドで最も一般的なストレージ方式の1つとなっている。クラウド上のオブジェクトストレージを利用すれば、多数のデバイスを1つのストレージプールにまとめ、複数の場所からアクセスできる […]

執筆者
AO
Anina Ot
May 16, 2022
7 minute read
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クラウドオブジェクトストレージとは、非構造化データをクラウドに保存する方法だ。オブジェクトベースのストレージは、柔軟性と拡張性に優れているため、クラウドで最も一般的なストレージ方式の1つとなっている。

クラウド上のオブジェクトストレージを利用すれば、多数のデバイスを1つのストレージプールにまとめ、複数の場所からリモートでアクセスできる。大量のデータを日常的に扱う企業は、通常このタイプのクラウドストレージを利用する。

世界のクラウドオブジェクトストレージ市場について、以下で詳しく見ていこう。

クラウドオブジェクトストレージ市場

2020年のクラウドオブジェクトストレージ市場の推定市場規模は48.3億ドルだった。年平均成長率(CAGR)は13.6%と見込まれ、市場規模は2028年までに136.5億ドルに達すると予測されている。

北米は2021年、地域別で最大の市場となり、年間市場収益の32%を占めた。さらに、2018年から2026年までの予測期間における成長率は21%と、最も高くなると見込まれている。

アジア太平洋地域と西欧の一部でも、高い成長が期待されている。一方、MENA地域と中南米地域では成長率が鈍化する。

業界別では、2020年時点の世界のクラウドオブジェクトストレージ市場で、銀行・金融サービス・保険(BFSI)業界が最も高い収益率を占めた。これにソーシャルメディア、IT、通信の各分野が僅差で続いた。

市場におけるその他の主なエンドユーザー分野には、次のようなものがある。

  • 政府
  • 製造
  • ヘルスケア
  • ライフサイエンス
  • 小売・消費財
  • メディア・エンターテインメント

クラウドオブジェクトストレージの機能

クラウドオブジェクトストレージは、メール、メディア、Webページ、センサーデータなどの非構造化データに適したデータストレージアーキテクチャだ。データの1つひとつをオブジェクトとして扱い、メタデータとともに別々の保管場所に保存する。

クラウド上のオブジェクトストレージは、短期・長期にわたって保存すべき非構造化データを大量に受け取る企業に、さまざまな用途を提供する。

モノのインターネット

オブジェクトストレージは、モノのインターネット(IoT)デバイスが生成するマシン間のデータ変換をサポートする。機械学習、人工知能(AI)、高度な分析システムによるデータ処理を可能にし、洞察や実行可能な情報を導き出せる。

クラウドネイティブアプリ

オブジェクトベースのストレージは、クラウドネイティブアプリ向けの効率的な永続クラウドストレージの選択肢となる。インターネット経由でアクセスできるため、特にモバイルアプリをスムーズに動作させられる。

ビッグデータ分析

オブジェクトクラウドストレージは、ビッグデータ分析の実行、クラウド上の非構造化データへのアクセス、洞察の抽出に効果を発揮する。

データのアーカイブとバックアップ

クラウドオブジェクトストレージは、企業に低コストで長期的なデータ保存・アーカイブの選択肢を提供する。同時に、拡張性、セキュリティ、耐久性を損なうことなく、データへのアクセス性も維持できる。

クラウドオブジェクトストレージのメリット

オブジェクトクラウドストレージのモデルは汎用性が高い。クラウドベースのソリューションであるため、データの品質やセキュリティを犠牲にすることなく、規模や業種を問わず企業が利用できる。

クラウドオブジェクトストレージの主なメリットには、次のようなものがある。

  • 拡張性
  • アクセスとバックアップ復旧のための高速なデータ取得
  • 費用対効果の高さ
  • メタデータのカスタマイズが可能
  • 柔軟な管理と一元的な制御
  • インターネット経由のリモートアクセス
  • セキュリティと規制コンプライアンス要件への対応を効率化

「コストから拡張性まで、今日のオブジェクトストレージソリューションは、特に大容量かつ複雑性の高いログデータにおいて、他の追随を許さない。……要するに、このタイプのアーキテクチャに移行すると、通常はクラウドコストが大幅に下がる」Todd PersenForbes Technology Councilのメンバーはそう語る。

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「最後に、オブジェクトストレージでは、クエリ、読み取り、書き込みをほぼ瞬時に実行できる。処理が同時に数千台ものディスクに分散される可能性があるため、ディスク数が少ない場合に発生するI/Oパフォーマンスのボトルネックは、単純に消えてなくなる」

クラウドオブジェクトストレージのユースケース

以下のケーススタディーは、さまざまな業界の組織がクラウドオブジェクトストレージソリューションを利用して、コスト削減と生産性・成長性の向上を実現している例だ。

Herman IT

Herman ITは、ハイパフォーマンスコンピューティング、マルチクラウド、ハイブリッドクラウド、プライベートクラウドの各モデルに特化したデータセンターサービスプロバイダーだ。フィンランドを拠点とするHerman ITは、データの保存、保護、利用において、持続可能で効率的な方法を提供している。

激化する競争で優位に立つため、Herman ITは顧客向けサービスに最新技術を導入しようとしていた。顧客が抱える一般的な課題の1つは、急増するデータと、信頼性と安全性を備えたストレージを導入する余裕がないことだった。

Herman ITはIBM Cloud Object Storageを利用して、独自のデータアーカイブ、バックアップ、リカバリーサービスを開発した。これにより、高速、安全、信頼性の高い、手頃な価格でのデータアクセスと保存が可能になった。

「IBM Cloud Object Storageによって、低いストレージコスト、事実上無制限の拡張性、ノンストップの可用性を提供しながら、データをウォームな状態、つまりすぐにアクセスできる状態に保てることを実証している」Veli-Antti LeinonenHerman ITの営業マネージャーはそう語る。

「多くの企業にとって、データは競争優位性をもたらす一方で、大きなコストとリスクの源でもある。当社の新しいデータバックアップ・アーカイブサービスは、IBM Cloud Object Storageを利用して、高速で安全、信頼性の高いデータアクセスを実現する」

Herman ITは、顧客のコンプライアンス対応を簡素化し、コストを削減し、ストレージ容量を拡大するとともに、自社の市場シェアも拡大できた。

University of Leicester

University of Leicesterは、イングランドのレスターに拠点を置く公立研究大学だ。

大学は約3万人の学生と教職員のデータをシステムで扱っており、バックアップインフラでは増え続ける非構造化データに対応しきれずにいた。

データストレージソリューションのアップグレードを検討した結果、LeicesterはCloudianのS3互換オブジェクトストレージシステム、HyperStoreへの切り替えを決めた。

「Cloudianでは、VMで試用でき、ノートパソコンにも15分で自分でインストールできる点が気に入った。Cloudianシステムを簡単に管理できるという自信につながった」Mark PennyUniversity of Leicesterのシステムスペシャリストはそう語る。

「実際には決して行わないような、ハードウェア全体の交換テストを含め、システムを壊せるかどうかを試すために多くのことを行った。それでもまったく問題はなかった。すべてがそのまま動作した」

Cloudianのソリューションは大学のCommvaultベースのバックアップと互換性があり、ストレージ要件を50%削減するとともに、コストを約25%削減できた。

BriteSky

BriteSkyは、企業向けに統合型およびカスタム型の情報・データネットワークソリューションを提供するコンピューターハードウェアメーカーだ。カナダのオタワを拠点とし、顧客によるデータの保存・管理を支援し、途切れない事業運営を実現している。

BriteSkyの顧客の多くは、頻繁に変化するデータプライバシーおよびセキュリティ法への対応を懸念していた。顧客が重い罰則や罰金を回避できるよう支援するため、BriteSkyは自社のクラウドサービスを改善しようと考えた。

BriteSkyは、顧客のカナダのデータ主権法への準拠を支援するため、NetApp StorageGRID Object Storageを利用することにした。

「扱わなければならないデータ量は、まさに天文学的だった。データをより長期間保持するサイクルに適した設計で、複数のサイト間でデータを簡単にレプリケーションできるプラットフォームが必要だった」Richard LosierBriteSkyのテクノロジー担当バイスプレジデントはそう語る。

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「顧客が何を求めているのか、ITがどこへ向かっているのか、人々がどんな問題を解決しようとしているのかを考えると、NetApp Data Fabricのストーリーを見て『ついにソリューションが登場した』と言える」

BriteSkyは、顧客が現地のデータ法を遵守できるよう支援できた。また、長期的なデータ保持サイクルと容易なレプリケーションをサポートするプラットフォームも設計できた。

クラウドオブジェクトストレージプロバイダー

クラウドオブジェクトストレージ市場を代表するベンダーには、次のような企業がある。

  • AWS
  • Google
  • Microsoft
  • Dell Technologies
  • Hewlett Packard Enterprise (HPE)
  • Hitachi Data Systems
  • NetApp
  • Caringo
  • IBM
  • Datadirect Networks
AO

Anina Ot has been a technology and SaaS writer for the past 5 years, focusing on explainers, how-to guides, industry and trends, and tech reviews. She’s worked with clients such as Dashlane, Remote.It, and Logit.io and contributed hundreds of pieces to prominent online publications, including AllTopStartups, MakeUseOf, and multiple TechnologyAdvice websites. Her goal is to make technology more accessible through clear and structured writing. Off the clock, she’s a huge physics nerd, an enjoyer of the great outdoors, and an avid jigsaw puzzler.

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