Storage as a Serviceは、ベンダーが管理するストレージ環境であり、企業がデータを柔軟かつ低コストで管理できる手段を提供します。Storage as a Service(STaaS)を選択する企業は、高価なハードウェアを購入したり、データストレージの専門知識を持つエンジニアを雇用したりする必要がないため、大幅なコスト削減を実現できます。本稿では、STaaSとクラウドコンピューティングの関係を解説するとともに、このデータストレージモデルのメリットとデメリットを紹介します。
Storage as a Serviceとは?
Storage as a Serviceは、ストレージプロバイダーが顧客にストレージ容量を提供するマネージドサービスです。STaaSモデルでは、マネージドサービスプロバイダーが、長期的な大容量データストレージに関する複雑な作業の大半を担います。これには、ハードウェアコスト、セキュリティ、データの完全性が含まれます。
STaaSはもともと、堅牢なストレージプラットフォームを必要としながら、オンプレミスソリューションの開発・保守に必要な社内の専門知識を持たない中小企業向けに設計されました。ストレージ管理のニーズが既存の予算、物理スペース、人員ではまかなえない企業にとって、理想的なモデルです。多くの場合、ユーザーはその時点で必要なストレージリソースの分だけ料金を支払います。
現在では、あらゆる種類の企業がSTaaSを利用しています。STaaSソリューションは、市場で提供されている最適なストレージ管理ソフトウェアと統合できることが多く、組織は複数のストレージプラットフォームを効率化できます。これにより情報サイロが解消され、ストレージチームはデータを一元管理しやすくなります。
詳しくはエンタープライズデータストレージの5つのタイプについて。
STaaSを利用する理由
Storage as a Serviceは、クラウド環境を維持するための十分なストレージ担当者や専門知識を持たない中小企業にとって有益です。中小規模の組織の多くには、正式なストレージチームすらありません。ITチームやセキュリティチームはほかの業務に追われ、ストレージ管理に割ける時間がほとんどないのが実情です。STaaSを利用すれば、手作業による管理業務の多くを専門のプロバイダーに任せることができ、リソースが限られた技術チームでも、維持管理の負担を伴わずに強力なストレージソリューションを導入できます。
STaaSは、多くの企業にとってコスト削減にもつながります。ハードウェアは高価であり、それを管理するためのソフトウェアも同様です。多くのサービスプロバイダーは、顧客が実際に使用しているリソースの分だけ支払う料金体系を採用しているため、無駄な支出を抑えられます。
STaaSは物理的なスペースも節約します。企業によっては、データを保存するためのインフラを設置できるオフィススペースがありません。データセンターは広大な設置面積を必要とし、大規模なサーバールームでさえ、多くの都心の高層ビルや地方の小規模オフィスには収まりません。ストレージサービスは、大規模なストレージインフラを支えるための不動産を購入・建設する余裕がない組織に、より大きな柔軟性をもたらします。
クラウドコンピューティングにおけるSTaaS
STaaSはクラウドストレージと完全な同義語ではありませんが、両者が重なることはよくあります。ほとんどのSTaaSプロバイダーは、データの保存にパブリッククラウドを利用します。クラウドベースのストレージの大きな利点の1つは、保存したデータに依存するクラウドベースのアプリケーションと容易に統合できることです。例えば、企業がクラウドベースの会計ソフトウェアを利用している場合、これをクラウドベースのSTaaSシステムに接続することで、データ処理に必要な遅延を短縮できます。
クラウドベースのSTaaSでは、ストレージエンジニアの専門知識がなくても実行できるさまざまな追加サービスを顧客が利用できます。これにはディザスタリカバリ機能、データバックアップ、大容量データ転送、暗号化、その他のサイバーセキュリティ機能などが含まれます。
これらのサービスの多くは、セキュリティ侵害や自然災害からデータを保護するうえで不可欠です。データを保存するだけでは、もはや十分ではありません。データは保護する必要もあります。障害や盗難によってデータが破損・消失した場合に備えて、データの複数のコピーを用意することが必要です。
STaaSのメリット
ストレージサービスのメリットには、コスト削減、クラウド上のデータへのアクセス、ディザスタリカバリの改善、拡張性などがあります。STaaSによって、従来はこの種のインフラを維持できなかった中小企業でも、エンタープライズレベルのデータストレージを利用しやすくなります。
ストレージコストの削減
顧客は必要なストレージリソースの分だけ支払うことが多いため、使われていないリソースに無駄な費用をかけずに済みます。もちろん、ハードウェアやその維持管理に費用をかけないことも、コスト削減につながります。
データへの迅速なアクセス
クラウド同期により、顧客はインターネット接続があればどこからでも、保存したデータにすばやくアクセスできます。データはリモートサーバーに保存されていますが、必要なときにすぐ利用できます。
ディザスタリカバリ機能の可能性
一部のSTaaSプロバイダーは、保存データにとって重要なディザスタリカバリなどの追加サービスを提供しています。サービスプロバイダーは、リモートのデータセンター間で同期を設定し、障害や災害が発生した場合にデータを別のサーバーへ自動的にフェイルオーバーできるようにすることがあります。
拡張性
STaaSソリューションは通常、ストレージ容量を迅速に拡張できます。これは、今後数年間で急速な成長が見込まれる中小規模の組織にとって特に有益です。保存データが指数関数的に増加する場合、データを移行するよりもストレージ容量を追加するほうが望ましいでしょう。
STaaSのデメリット
総じて、Storage as a Serviceは、ストレージインフラの構築を支援する追加サポートを必要とする企業にとって有益なソリューションです。ただし、カスタマイズ性の制限、サービスプロバイダーのシステムへの依存、サイバーセキュリティ上の潜在的な弱点など、いくつかの制約もあります。
カスタマイズ性の制限
STaaSプロバイダーにデータを保存すると、企業がストレージ環境をカスタマイズする能力は制限されます。チームによっては問題になりませんが、より経験豊富な人員を擁する高度なITチームやストレージチームは、より大幅なカスタマイズを求める場合があります。
プロバイダーのシステムへの依存
企業がサービスプロバイダーのストレージ環境にデータを保存すると、停止や障害など、プロバイダー側のあらゆる技術的問題の影響を受けます。多くのSTaaSベンダーは、停止や災害の影響を軽減する技術を導入していますが、問題によってユーザーのデータが一時的に利用できなくなる可能性は常にあります。
潜在的なセキュリティリスク
一部のStaaSプロバイダーは、データを常時暗号化し、自社チームに対して厳格なアクセス制御を実施しています。これは、顧客がセキュリティ機能を含むストレージインフラを管理できる範囲が狭くなることを意味します。サイバーセキュリティ対策を重視するSTaaSプロバイダーは、セキュリティチームが限られた企業を支援できますが、逆にセキュリティへの取り組みが不十分なプロバイダーは、顧客のデータを危険にさらす可能性があります。
契約超過による追加コスト
ベンダーとの契約で定められたストレージ容量を超過した企業は、多額の追加費用に直面する可能性があります。ただし、使用済み容量と割り当て容量を正確に記録しておけば、これは避けられるため、必ずしもデメリットとはいえません。
まとめ:STaaSの選び方
Storage as a Serviceが自社に適しているかどうかを判断するには、次の質問を検討してください。
- 自社の技術部門には、経験豊富なストレージ担当者がいますか?
- 予算はSTaaSの料金をまかなえますか?
- サーバーやストレージアレイを設置する物理的なスペースはありますか?
- ない場合、そのようなインフラを構築するにはどのくらいの期間がかかりますか?
組織によっては、当面はSTaaSを導入しながら、数年かけて独自のストレージインフラを開発するという判断も考えられます。また、特定のアプリケーション群にはクラウドストレージを利用し、ほかのアプリケーションにはオンプレミスストレージを使うこともできます。データストレージは柔軟であり、STaaSはその柔軟性に大きく貢献します。
次に読む:Storage as a Serviceの主要プロバイダーについて。