ストレージの自動化は、すでに数十年にわたって利用されてきた。データの移動、ストレージのプロビジョニングや廃止、ディスクのボリュームやLUN(論理ユニット番号)への分割など、かつては1日を費やしていたさまざまな手作業にかかる時間を、ストレージ管理者が節約できるようにする仕組みとして始まった。
こうした機能は徐々にストレージに組み込まれ、EMCやNetAppなどのベンダーがストレージ自動化の分野の発展を先導した。現在では、自動化機能の数と高度さが大幅に増している。
ストレージ自動化をめぐる主要なトレンドを5つ紹介する。
1. 大規模データストアの自動化
ストレージ管理者が管理すべきストレージがギガバイト(GB)単位にすぎなかった時代、自動化は不可欠だった。しかし、ストレージがテラバイト(TB)単位、さらにはそれ以上へと拡大するにつれ、自動化の必要性も指数関数的に高まった。
Dell Technologiesで非構造化データストレージの製品マーケティング担当ディレクターを務めるBrian Henderson氏は、「顧客は、PB単位の容量を格納するよう設計された、効率的にスケールアウトできるNASソリューションを求めている」と語った。
「さまざまな調査から、レプリケーション、パフォーマンス管理、データ管理、スナップショットなど、豊富で強力なストレージ管理機能によって、こうした環境では1人の管理者がPB単位のストレージを管理できることが分かっている。
「こうした最新のNASソリューションには、CLI、Web UI、スクリプト、APIなど、多様なインターフェースを提供し、エンタープライズ級の管理、レポート、監視、トラブルシューティング機能を備えたツールを使って、多くのタスクやデータを自動化できることが求められる」
2. オブジェクトストレージの自動化
近年、オブジェクトストレージの利用が急増している。より多くのデータがオブジェクトリポジトリーに格納されるようになるにつれ、自動化機能への需要も高まっている。オブジェクトストレージの主な用途には、オンプレミスとパブリッククラウドの双方におけるアーカイブやコンテンツアプリケーションがある。
ユーザーは、オブジェクトストレージにも、ネットワーク接続ストレージ(NAS)やストレージエリアネットワーク(SAN)環境で期待するようになった機能を求めている。IDCのアナリストであるEric Burgener氏によると、これには高速コンピューティング技術との統合、サービス品質(QoS)、人工知能(AI)ソフトウェアスタックとの統合、フラッシュメディアを活用した高性能ストレージ階層への対応、クラウドでの容易な導入、自動化されたデータライフサイクル管理などが含まれる。
例えば、DataCore Swarmのオブジェクトストレージソフトウェアは、数十億のファイルとPB単位の情報を安全に管理できるよう、ゼロから設計されている。Swarmは、ハイパースケールなデータのストレージ、アクセス、分析の基盤を提供すると同時に、データの完全性を保証し、ハードウェアへの依存を排除する。これを実現しているのが、自動化の幅広い活用だ。
3. ストレージの使いやすさ
クラウドは、ストレージに消費者の視点をもたらした。今や人々は、タブレットで個人向けサービスを利用する場合と同じように、クラウドリソースが機能することを求めている。そしてこの考え方は、ストレージ分野全体にも浸透している。
人々は今すぐ、ストレージやサービス、追加容量を利用したいと考えている。そのため、ストレージ管理者やクラウド管理者は使いやすい機能を必要としており、それを実現できるのは、より高度な自動化にほかならない。
例えば、クラスター管理が容易になれば、ストレージ管理者の負担は軽くなる。そのため、データライフサイクル管理を容易にするAnsibleやKubernetesなど、自動化・オーケストレーションツールへの投資が増えている。
IDCのBurgener氏は、「CIOは、ワークロードをより少数の高密度プラットフォームに統合することで、独立したストレージサイロの数を減らそうとしている」と語った。
「これにより、複数のアクセス方式への対応、ストレージ階層化、柔軟なQoS制御、ベアメタル、仮想化、コンテナ化された環境全体で機能する自動化に対する新たな要件が生じる」
4. ハイブリッドストレージ
かつてストレージアレイやNASファイラーに搭載されていたのは、ハードディスクドライブ(HDD)だけだった。しかしフラッシュの台頭により、フラッシュとHDDで構成されるハイブリッド型の大容量ストレージ機器が登場した。最近では、オールフラッシュへ移行するケースも増えている。
そのためストレージ担当者は、はるかに多くの構成や構成変更、フラッシュ追加の要求に対応しなければならず、こうしたハイブリッド環境、そしてフラッシュがますます主流となる環境で、迅速にプロビジョニングする手段を持つ必要がある。
ベンダー各社は、この課題に対応するソフトウェアを提供してきた。例えばNetAppは、より高度な機能と自動化を提供するため、NetApp ONTAP 9データ管理ソフトウェアを継続的にアップデートしている。これらの機能により、クラウドとデータセンターのストレージがよりシンプルで柔軟になる。また、ハードウェアストレージシステム、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)、クラウドなど、さまざまなストレージアーキテクチャをIT部門が導入することも可能にする。
例えばNetApp FASストレージアレイは、このソフトウェアを活用して、容量とパフォーマンスのプロビジョニングを均衡化・自動化するストレージインフラを構築する。容易な導入と運用に最適化されている一方、将来の成長やクラウド統合にも対応できる柔軟性を備えている。FASファミリーは、SAN、NAS、オブジェクトワークロード向けの統合機能を提供する。
5. 拡張機能
今日では、ストレージだけではベンダーにとって十分ではなくなったと言える。NetAppがNASファイラーから進化し、あらゆる種類のストレージを自動的にプロビジョニングしてクラウドとオンプレミスにまたがってオーケストレーションできるようになったのと同様に、他のベンダーも従来のストレージ概念を大きく超える、より多くの機能を組み込む必要性を認識している。これには、セキュリティ、ランサムウェア対策、データ保護、アーカイブなどの領域が含まれる。
例えばFalconStorは、当初のバックアップを中心とした事業領域を大きく広げ、詳細なデータ保護、アーカイブ、安全なデータコンテナを提供している。これらは、オンプレミスとクラウドの双方で、主要なオブジェクトストレージ製品が提供するさまざまな機能を活用できる。
FalconStor StorSafeは、オブジェクトストレージのメタデータ管理機能を強化する自動化を追加し、最も適切なデータにアクセスできるようにした。また、WORM準拠製品の不変ストレージを活用し、常時利用可能な恒久的アーカイブを実現する。データを断片化してクラスター全体に自動的に分散することで可用性を高めるとともに、データセンターが侵害されてマシンが盗まれてもデータは失われず、完全なデータセットをマウントすることもできない。