ネットワーク接続ストレージ(NAS)は、当時Network Applianceとして知られていたNetAppを中心に、1990年代後半に発展した。
同社は、EMCとSANストレージによる圧倒的な独占を終わらせることを目指していた。NetAppのNASファイラーおよびファイルストレージ製品群は、EMCの市場シェアに大きな打撃を与えた。しかし、EMCとNetAppが争ったあの熱狂的な時代から、業界はすでに次の段階へ進んでいる。数多くの新たな企業、構成、プロトコル、ストレージの種類が登場した。
NAS市場における主なトレンドを以下に紹介する。
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1. NASの多様化
IT部門が直面している課題は、用途の異なるユースケースを1つのソリューションでサポートすることだ。根本的な問題は、ほとんどのファイルシステムが数十年前のもので、I/Oスタックが非効率な点にある。
「NASの主なトレンドは、カテゴリーの多様化だ」と、StorONEのCMO、George Crump氏は述べた。
「ユーザーのホームディレクトリやアーカイブ、バックアップ先として利用できる、大容量で拡張性が高く、手頃な価格のNASが必要とされている。一方で、仮想化環境やデータベース、AIワークロードのホスティングに使う、高性能なファイルアクセスという別のユースケースもある」
Crump氏は、フラッシュから最大限の性能を引き出し、ハードディスクドライブ(HDD)から最大限の容量を引き出すため、ストレージI/Oパスを自社で管理するベンダーを選ぶよう組織に勧めている。その結果、絶えず多様化するNASのユースケースを1つのソリューションでサポートできる。
2. AIとディープラーニングの台頭
アナリティクス、人工知能(AI)、ディープラーニング(DL)は、より大規模なデータプールを管理し、高速処理に必要な性能を提供する手段として、企業によるスケールアウト型ファイルストレージや高性能な並列ファイルシステムの導入を促している。
しかし、多くの既存のスケールアップ型およびスケールアウト型ストレージシステムは、アナリティクス、AI、DLアプリケーションがストレージインフラに求める容量と性能の要求に、もはや対応できなくなっている。こうした課題を解決するため、並列ファイルシステムが進化してきた。
「並列ファイルシステムは、こうした非構造化データ管理の課題に対応するために設計されたものであり、ベンダーは従来型のエンタープライズIT環境に統合できる、システム導入と管理を簡素化した製品を提供している」と、DDNの製品担当上級副社長、James Coomer氏は述べた。
3. NASの自動化
旧来のNASファイラーにも自動化機能はいくつか搭載されていた。しかし、データ量の増加と現代のITのスピードに対応するには、はるかに多くの自動化を組み込む必要が生じている。
「コストを削減するには、柔軟性と自動化が連携して機能することが強く求められている」と、DDNのCoomer氏は述べた。
「膨大な容量に関する課題があるため、こうしたソリューションには、複数のストレージプールにまたがってデータを管理する機能が必要だ。性能向けのNVMe、容量向けのディスクドライブ、そしてクラウドを使い分ける必要がある。必要なときに必要な場所にデータを確実に配置するため、ベンダーはデータ移動の自動化を進めている。これにより、即時アクセスが期待され、必要とされる場面でも、管理者が介入する必要がなくなる」
4. NAS-as-a-service
NASファイラーや一般的なファイルストレージは、現在、多くのベンダーからクラウド上で広く提供されている。NAS-as-a-serviceが登場しつつある。
例えばStorage Made Easyは、AWS Marketplaceから直接起動できる新製品、SMBStreamをリリースした。
この製品は、クラウドやデータセンター内、さらに世界各地に地理的に分散したオフィス間にあるファイルサーバーへ、高性能かつ安全にアクセスできる。仮想プライベートネットワーク(VPN)を利用する場合とは異なり、ユーザーやアプリケーションは必要なファイルデータにリアルタイムで高速アクセスでき、ユーザーが増えてもソリューションを拡張できる。
AWS経由で利用できるため、ファイルサーバーをクラウドに統合し、クラウドワークロードにリモートストレージを組み込み、分散ファイルストレージを統合することがはるかに容易になる。
そのほか、オフィス側のキャッシュやスナップショット同期が不要で、グローバルロックの問題もなく、ウェブ経由でファイルストレージにリアルタイムアクセスできるというメリットもある。NASには、鍵認証、否認防止、AES-256暗号化などのセキュリティ機能が組み込まれている。
5. NASはいまだにオブジェクトストレージを上回る
一部の論者の話を聞いていると、SANとNASストレージは廃れ、オブジェクトストレージがすべてを支配すると思うかもしれない。しかし、Pure StorageでFlashBladeの製品管理担当バイスプレジデントを務めるJay Subramanian氏によれば、現実は大きく異なる。
最新のアプリケーションの台頭により、非構造化データの増加率は急激に高まっている。IDCの予測によると、2025年までに世界のデータの80%が非構造化データになる。確かに、これによってオブジェクトストレージはより一般的になり、従来のアーカイブやバックアップ用途にとどまらず、プライマリーストレージや最新のアプリケーションにも利用されるようになった。しかし、ファイルストレージは依然として大差をつけて優位に立っている。
「ファイルは、高性能コンピューティング(HPC)、メディア・エンターテインメント、医療、ソフトウェア開発など、さまざまなアプリケーションや業種で、依然として主要なアクセス方式だ」とSubramanian氏は述べた。
こうした非構造化データの一部はオブジェクトストレージに収まるだろう。しかし、それ以上のデータがファイルベースのストレージに保存されることになる。
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