サーバーはエンタープライズワークロードをホストし、ストレージ、ネットワーク、コンピューティングリソースをデータセンターに提供する。
一般的なコンピューターにはない処理能力を備えているため、企業のマシンやネットワーク上で非常に負荷の高いワークロードを実行できる。
データ管理市場が拡大する中、データセンターの容量と速度に対する継続的な需要に応えるため、サーバーは進化を続けている。
以下のサーバーのトレンドには、フォームファクター、中央処理装置(CPU)の進歩、データセンターの効率を改善する手法が含まれる。
サーバー市場の6つのトレンド
- 新しいサーバープロセッサー
- サーバー統合の進展
- 世界のマイクロサーバー市場の急成長
- ソフトウェア定義型サーバーソリューションの拡大
- サーバーにおける二相式液浸冷却の普及
- サーバーのモジュール化への注目
1. 新しいサーバープロセッサー
企業は、プロセッサーを含むサーバーハードウェアのコンピューティング性能の向上に注力している。
プロセッサーはコンピューティングマシンの中核であり、ハードウェア間のあらゆるやり取りを支えている。そのため、サーバーの改善や市場の成長は、しばしばプロセッサーの改良から生まれる。
2021年春、AMDは新しいサーバープロセッサーファミリー「EPYC 7003」を発表した。シングルコアアプリケーションでは、EPYC 7003によってメモリアクセス性能が2倍になる。Forbesによると、AMDの新しいプロセッサーファミリーは高性能コンピューティング(HPC)アプリケーションに有用であるほか、コンテナ化されたワークロードにも適している。
IntelとAMDは、2022年に向けてサーバープロセッサーの強化も進めている。Dell’Oro Groupによると、これらのアップデートにはPCIe 5.0インターフェースが含まれる見込みだ。2021年10月、Intelは広帯域幅メモリ(HBM)を披露した。これは第4世代Xeonプロセッサーに搭載される予定だ。
2年前に初めて発表されたNVIDIAのEGXプラットフォームは、CPU中心ではなくGPU中心のアーキテクチャーによって、エッジ向けの人工知能(AI)を提供する先進的なプラットフォームだ。AIワークロードは、NVIDIA製GPUを搭載したNVIDIAのパートナー企業のサーバー上で実行される。GPUこそ先進的なAIの未来であり、CPUではない。著名なITアナリスト兼研究者のZeus Kerravala氏によると、現代のCPUではもはや十分な処理ができない。
「AIが求める処理は、CPUが実現できる能力をはるかに超えています」とKerravala氏は述べている。
NVIDIAのEGXソリューションは、GPUを提供するだけではない。このプラットフォームは、コンピューティングとネットワーク、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたソフトウェア定義型インフラストラクチャーだ。
「現在、GPUメーカーは数多くあります。しかしNVIDIAが先頭を走り続けているのは、導入プロセスを簡素化する『フルスタック』を提供できるからです」
2. サーバー統合の進展
多くのサーバーフォームファクターは、高い電力密度とデータセンター密度を念頭に設計されている。
物理的なスペースに詰め込めるサーバーの数が増えるほど、高性能アプリケーションやワークロードを支えるための電力も増やせる。
このトレンドは続いている。
「仮想化が普及する前から、ハードウェア企業は多数の物理サーバーを、より小さく管理しやすい領域に統合する方法を模索していました」と、スウェーデンの旅行計画サイトTripploのCEO、Axel Hernborg氏は語る。「サーバーとストレージをブレード型に統合したHPのc-Classブレードサーバーシャーシは、5年前にサーバー市場に大きな変化をもたらしました。それ以来、同じ商業的効果を上げたデバイスはありません」
現在では、ブレードサーバーとラックサーバーだけでなく、マイクロサーバー(シャーシに差し込むチップ型サーバー)もスペースを節約し、データセンターがより大きな電力を供給できるようにしている。
3. 世界のマイクロサーバー市場の急成長
マイクロサーバーはウェブサイトの運用に使われてきたが、ほかの分野でも普及が進んでいる。
マイクロサーバーに関する最近の研究によると、ハイパースケールコンピューティング環境に適している。MarketsandMarketsによれば、ハイパースケール環境では、エネルギー効率の最大化と高性能コンピューティングの恩恵を受けられる。
同社は、世界のマイクロサーバー集積回路(IC)市場が2021年から2026年にかけて年平均成長率(CAGR)12.6%で成長すると予測している。
最も高速なマイクロサーバープロセッサーはARMベースだ。これまでマイクロサーバーの用途は限られていたが、同レポートは、64ビットARMプロセッサーなどの進歩によって、重要なワークロードにマイクロサーバーを採用しやすくなると指摘している。
4. ソフトウェア定義型サーバーソリューションの拡大
ソフトウェア定義型サーバーは、複数のサーバーのリソースを1カ所から管理し、それらを抽象化することで、より広く利用できるようにする。こうしたリソースにはソフトウェア定義型ストレージシステムが含まれる。あらかじめパッケージ化されたソフトウェア定義型サーバーにより、企業は複数の場所からワークロードやストレージを運用できる。
例えばDellは、コンピューティング機能を備えたサーバーをあらかじめパッケージ化し、遠隔地やエッジの拠点に出荷できるようにしている。これらのソリューションは、スケーラブルなサーバーとストレージノードを通じてソフトウェア定義型ストレージ(SDS)を実行する。ソフトウェア定義型データセンターインフラストラクチャーは、サーバーを含むリソースを、手動型またはハードウェアベースのアーキテクチャーより効率的に管理する。
5. サーバーにおける二相式液浸冷却の普及
Microsoftをはじめとする一部のデータセンターでは、熱管理の主要な手法として、液冷の一種である二相式液浸冷却を採用している。
プロセッサーを冷却するため、水ではなく電子機器に安全な液体を水より低い温度で沸騰させる。発生した蒸気は冷却されたコンデンサーに当たって液体に戻り、サーバー上に落下する。
Microsoftにとって、これは空冷では不十分になる時期への備えだ。つまり、成功すれば、十分な気流を維持するためにコンピューティングリソースを離れた場所に置くのではなく、再び互いに近接させて配置できる。二相式液浸冷却は、エネルギー消費の削減にも役立つ。
6. サーバーのモジュール化への注目
モジュール型のインフラストラクチャーとシステムは、コンピューティング、ネットワーク、ストレージのリソースを独立して割り当て、より効率的にリソースを利用できるようにする。
IntelやMercury Systemsなどのベンダーが提供するモジュール型ブレードサーバーは、精密性を重視して設計され、エッジアプリケーションのニーズに合わせてより柔軟にカスタマイズできる。
Dell PowerEdge Modular Infrastructureのようなモジュール型シャーシには、コンピューティング、ネットワーク、ストレージのリソース向けにスケーラブルなモジュールが搭載されている。この拡張性により、企業は既存のワークロードに必要なリソースだけを利用でき、コストを節約できる。
モジュール型プラットフォームには、最新テクノロジーをデータセンターのリソースに接続できる可能性もある。
「モジュール型システムは、ワークロードのニーズに合わせてリソースを構成し、次世代プロセッサー、アクセラレーター、不揮発性メモリ、400 Gネットワークなどの新しいテクノロジーをシームレスに統合できる高速インターコネクトを提供します」と、Ciscoのシニアマーケティングマネージャー、Tim Stack氏は述べている。
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