Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、世界のエンタープライズストレージ市場における主要プロバイダーの1社として、また1年を終えようとしている。同社はこの分野だけで12億ドルを超える収益を上げた。
エッジからクラウドまでを見据えた、人工知能(AI)に最適化されたデータストレージ、中国の大手ネットワーク企業H3Cとの最近の提携に注力するHPEのストレージ製品ポートフォリオはかつてないほど強力だが、市場は依然として非常に競争が激しい。
ストレージハードウェアの購入者には選択肢が不足していない。そこで、HPEが市場にもたらす価値を詳しく見てみよう:
HPEのストレージハードウェア製品
HPEは、大小を問わず顧客のあらゆるユースケースに対応しようと、ストレージ製品の多様化を進めてきた。さらに、ストレージをサービスとしてリースする同社のGreenlake戦略は、クラウドハードウェアを顧客の拠点に直接提供し、使用量を計測することで、顧客が利用した分だけ支払えるようにする。このモデルで提供される、または購入できる製品には次のようなものがある。
ストレージエリアネットワーキング
高性能なストレージネットワーキング向け:
- HPE MシリーズEthernetスイッチ:最大100 GbEに対応する、パケットロスゼロのEthernetスイッチ
- HPE CシリーズDirectorスイッチ:大規模なデータセンターのニーズに最適化。主要コンポーネントをすべて冗長化し、サービスを中断しないソフトウェアアップグレードと安定性の向上を実現
ファイルおよびオブジェクトストレージ
ペタバイト規模まで対応する非構造化データ向け:
- HPE Apollo 4000:データ分析およびアーカイブ用途に最適化された大容量サーバー
- Cohesity Apolloシリーズ:マルチクラウド環境向けに最適化された、ソフトウェア主導のデータバックアップおよび分析ソリューションCohesityに対応するサーバー
- Qumulo Apolloシリーズ:ペタバイト規模のデータストレージ管理を簡素化するよう設計されたソフトウェアアーキテクチャQumuloに対応する、高性能で拡張性に優れたサーバー
データ保護ソリューション
エッジからクラウドまでを統合した情報バックアップ:
- HPE StoreOnceシステム:バックアップデータのストレージ要件を95%削減するとする、単一の全社向けバックアップアプリケーション
- HPE StoreOnce VSA:最大500 TBのデータに対応する、ソフトウェア定義のセカンダリーストレージ
- HPE StoreEver LTO Ultriumテープドライブ:保管庫送りとなるデータ向けの、暗号化対応・大容量テープドライブ
オールフラッシュおよびハイブリッドストレージソリューション
頻繁にアクセスされるアプリケーションとデータ向けの、クラウド最適化ストレージ:
- HPE Nimble Storage:ほぼ100%のデータ可用性を保証する、予測分析対応フラッシュアレイ
- HPE Primera: 「ミッションクリティカルなアプリケーション向けの世界で最もインテリジェントなストレージ」とうたう製品。データ可用性100%を保証
HPEパートナー
HPEのパートナープログラムは、ストレージソリューション、ITプロフェッショナル、デジタルマーケティングサービスなど、サービスの専門家による幅広いネットワークを構築し、リソースと専門知識を結集している。
このプログラムは、豊富な知識と提供サービスを通じて、参加メンバーの成長、収益性、イノベーションの向上を目指している。
このネットワークに参加する注目すべきストレージプロバイダーには、次のようなよく知られた企業がある。高性能チップメーカーのAMD、ネットワークおよびITプロバイダーの Lumen、プライベート、パブリック、ハイブリッドクラウドプロバイダーのAC3などだ。
HPEは、顧客の近くにあるストレージプロバイダーを探すのを支援するサイトを開設しており、サーバーへのアクセスやサービスの比較を比較的簡単に行えるようにしている。
HPEストレージハードウェアのユースケース
カナダのエドモントン市は、デジタル時代に図書館の存在感が薄れつつあることを認識し、自らの図書館を完全に近代化された知識の拠点として位置づける積極的な計画を策定した。HPEが提供するエッジ・ツー・クラウドのデジタルプラットフォームによって実現したこの取り組みの結果、北米最大のインタラクティブウォール、拡張されたメイカースペース、プロ仕様のサウンドスタジオ、ゲーミングPC、ファブリケーションラボなど、最先端のコンピューターテクノロジーへの公平なアクセスが可能になった。
HPEのバックエンドは、屋外スペースにもサービスを拡張しながら、毎月20万を超えるユーザーセッションの接続を可能にしている。これらすべてを支えているのがHPEのNimble Storageデータプラットフォームであり、図書館の業務データや施設データもホストしている。かつては大きく分散していた環境を統合し、データの重複も削減した。
さらに、障害を防ぐために予測分析を利用する、AI主導の自律型サーバー管理ソフトウェアHPE InfoSightが支援する。4年にわたる改修を経て、エドモントン図書館は世界クラスの知識の拠点へと生まれ変わった。パンデミックによって利用者の活動が施設外へ移り、図書館のサービスを玄関の外へ拡張する必要が生じたため、サービスのデジタル化の多くはこれ以上ないタイミングで実現した。
HPEストレージハードウェアのユーザーレビュー
テクノロジーおよびビジネスのインサイトを提供する調査会社Gartner Peer InsightsはHPEのストレージ製品に関するレビューを集約し、ITプロフェッショナルの視点から製品の利用体験にアクセスできるようにしている。
HPEは、製品、サービス、サポート、迅速な導入、統合の容易さについて、圧倒的に高い評価を受けている。
好意的なレビューのハイライトをいくつか紹介する。
- 星5つ(Nimble All-Flash):「Nimble All-Flashは素晴らしい。中小企業なら、いくつか導入すべきだ」
- 星4つ(HPE Primera):「信頼性の高いハードウェア上で、堅実なパフォーマンスと容易な管理を実現している」
- 星5つ(Nimble All-Flash):「Nimble Storageは、データを安全かつ確実にバックアップし、保存してくれる」
- 星5つ(HPE Primera):「HPEはインフラストラクチャソリューションの優れたポートフォリオを有している」
最後のレビューは次のように続く。「BUR、オンラインストレージ、ホストコンピューティングを完全なエコシステムでカバーしており、そのすべてがHPE InfoSightに結びついている。これにより、すべてのスタックにわたって相関付けられた分析情報を得られる」
この顧客は、データストレージを簡素化し、データ密度を高めながら、パフォーマンスを犠牲にしない製品を求めていた。さらに、旧来のテクノロジーからの移行に際して、物理的なアップグレードによる影響を回避したいと考えていた。費用対効果、移行の容易さ、カスタマーサポートが特に高く評価された。
否定的な体験や、どちらともいえない体験を投稿した顧客はごく少数にとどまる。
HPEストレージハードウェアに対する業界の評価
Gartnerは3年連続で、HPEのストレージサービスを評価し、プライマリーストレージ部門の「Gartner Magic Quadrantのリーダー」賞を同社に授与している。
さらにHPEは、2021年の最も影響力のあるビッグデータ企業トップ50、Big Data 50、最もクールなビッグデータシステムおよびプラットフォーム企業など、幅広い賞や栄誉を獲得している。
企業の社会的責任の観点では、HPEは「世界で最も倫理的な企業」の1社として評価されており、Honeywell、GM、ストレージ分野の競合であるDellなどと肩を並べている。
ハードウェアストレージ市場におけるHPE
エンタープライズ向け外付けOEMストレージ市場で依然として首位を占めているのはテクノロジー大手のDellであり、同社は市場全体の4分の1超を占めている。これに対し、HPEのシェアは11%だ。
最近の傾向を見ると、Dellの市場シェアはわずかに低下する一方、HPEは中国系のH3Cとの提携に支えられ、同程度の伸びを見せている。
HPEは、NetAppやHuaweiといったよく知られたソリューションプロバイダーと依然として拮抗している。一方、Hitachi、IBM、Pure Storageはかなり離れた位置にあり、この3社で市場の合計15%を占めている。