15年前、ストレージ関連カンファレンスはITイベントカレンダーを席巻していた。Storage Networking WorldやStorage Worldには、最新かつ最高のストレージアレイやソリッドステートドライブ(SSD)、自動テープライブラリを展示するベンダーが数多く集まっていた。しかし、ストレージハードウェアはかつてほど専門分野ではなくなったため、これらの展示会はもはやカレンダーに載っていない。
少し前までは、ストレージエリアネットワーク(SAN)の導入を担う人材や、ネットワーク接続ストレージ(NAS)の保守・運用を担う人材、さらにストレージスイッチやホストバスアダプターなどのハードウェアを専門とする人材がいた。しかし、仮想化、クラウドコンピューティング、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)の時代となった今、ストレージハードウェアの全盛期は過ぎ去った。
それでも、ストレージハードウェアはオンプレミスシステムとクラウドシステムのすべての中核に存在している。機器は今もそこにあるが、何層もの抽象化の背後に埋もれている。そして、熟練したプロフェッショナルによる管理も依然として必要だ。
ストレージハードウェアの雇用と求人見通しに影響を与える主要トレンドを見てみよう。
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1. ストレージハードウェアの知識にデータスキルを加える
KompriseのRob Gordonシニアセールスエンジニアは、クラウドストレージとインフラ自動化の拡大を踏まえると、ストレージITプロフェッショナルが従来担ってきたハードウェアおよび機械層の導入・保守業務は、複雑さが軽減されていると指摘した。
「ストレージが多くのシステムやクラウドに分散される現在、必要なのは物理ストレージのサイロそのものよりも、システム上に存在するデータを理解し、管理することだ」とGordon氏は述べた。
「データが中心的な役割を担い、ストレージ技術がより一時的で動的になるにつれ、多くのストレージハードウェア関連の仕事は、クラウドデータアーキテクトやデータ管理の職種へと変化するだろう」
2. 部品の確保をめぐる競争
サーバー、ストレージアレイ、スイッチ、チップ、ケーブル、フィルターなど、ストレージに不可欠なコンポーネントの多くが不足している。
部品の納期が長すぎる場合、ストレージ管理者は手元にある機器でやりくりする方法を学ばなければならない。また、部品や機器を調達するため、通常とは異なる供給元を探すスキルも身につける必要がある。
例えば、あるデータセンターでは、大手ネットワーク機器メーカーに数百台のイーサネットスイッチを発注したところ、納期が6カ月かかると報告された。一部地域では、光ファイバーも入手できないとの報告がある。また、ケーブルのように通常は当然あるものと考えられている品目も不足している。主要サーバーの一部でさえ、納期が45日を超えている。
これを受け、ストレージ管理者は中古市場に精通すべきだ。また、システムを稼働させ続けるため、必要に応じて回避策やOEMの代替品も考案しなければならない。
3. 高可用性機器とスキルへの需要が高まる
ストレージハードウェアのスキルが特に高く評価される分野の1つが、高可用性(HA)だ。
現代のインフラの複雑さが増す中、ビジネスクリティカルなアプリケーションで99.99%のサービスレベル合意(SLA)を満たせるかどうかへの懸念から、企業は高度でアプリケーションを認識する高可用性およびディザスタリカバリ(DR)ソリューションの導入を進めている。
例えば、主要なデータベースやエンタープライズリソースプランニング(ERP)システムであるOracle、SAP S/4HANA、SQL Serverなどは、依存度が非常に高まっており、これらのシステムの短時間の停止でさえ大きな損失につながる。
これらはますます複雑な環境で稼働しているため、重要なシステムの稼働時間を保護する実装について、アプリケーションに特化した深い経験を持つHA専門家に頼る企業が増えている。
「企業がデータベースやERPシステムに依存することで、専門的なHAの知識に対する需要は高まるだろう」と、SIOS Technologyのカスタマーエクスペリエンス担当バイスプレジデント、Cassius Rhue氏は述べた。
4. ディザスタリカバリが活況を呈する
ディザスタリカバリは、しばらく前からストレージ管理職の職務内容に欠かせない要素となっていたが、活気のあるキャリアパスとはほとんど見なされてこなかった。その状況は変わりつつあるのかもしれない。
DR計画で想定されるのは、もはや「100年に一度の嵐」や「一生に一度の地震」といったまれな事象だけではない。企業は、天候、電力サージ、ランサムウェアなど、より身近になっているさまざまな脅威から復旧できなければならない。
ストレージデータの単純なバックアップだけでは、もはや十分ではない。ストレージがネットワークファイルシステム(NFS)、SAN、クラウドネイティブな共有ストレージ、レプリケートされたローカルストレージのいずれであっても、企業はオンプレミスとクラウドの両方でデータストレージの保護レベルを高め、HA/DR保護を含めるようになっている。つまり、より多くのストレージハードウェアを導入し、保守する必要がある。
「気候変動と社会不安によって、ディザスタリカバリの必要性はITの最重要課題となった」と、SIOS TechnologyのRhue氏は述べた。
「企業は2022年にDRへの支出を増やし、DR保護についてより柔軟な導入オプションを求めるようになるだろう」
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5. ワークロードをクラウドへ移行する
ベテランのストレージハードウェア専門家は、過去20年間で自身の影響力が縮小するのを目の当たりにしてきた。企業内で依然として力を発揮できる特定の分野はあるものの、最終的に活動領域は縮小している。この傾向は今後も続くと予想される。
少なくとも今後数年間は、データセンターからクラウドへワークロードを移行する専門家になることにキャリア機会がある。これには、機器を廃止する方法、データを安全かつ確実に移行する方法、社内ハードウェアからクラウドへアプリケーションを移行する方法を知ることが含まれる。
ただし、このキャリアパスを検討するプロフェッショナルは、データセンターからクラウドへのワークロード移行だけに注目すべきではない。企業が何をクラウドに置き、何を社内システムに戻すべきかを見極める中で、ストレージインフラの大部分が消失する可能性がある。一方で、社内に戻したシステムをホストするため、より多くのストレージハードウェアが必要になる。
「ビジネスクリティカルなアプリケーションをパブリッククラウドに移行した企業の中には、予測不能なクラウド料金、データを企業の地理的境界内に保持することを求める規制の対象企業におけるデータ主権要件、そしてITインフラを社内で管理する必要性という3つの主な理由から、リバースマイグレーションまたはハイブリッドクラウド構成を検討しているところもある」と、SIOS TechnologyのRhue氏は述べた。
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